5月17日法政大学経営者懇談会主催(法政大学、同校校友連合会、同後援会 後援)による公開講演会が法政大学ボアソナードタワー26階スカイホールで開 催された。
参加者は在校生を含め100名を超え、脳科学の世界的権威である大井先生のユーモア溢れる講演に熱心に耳を傾けた。
講演は三瓶氏の司会のもと、主催者である経営者懇談会の鈴木会長の挨拶、続いて講師のご紹介のあと講演会に移った。
大井先生は冒頭、近年日本において間違いだらけの「脳科学」の知識や、学術実績のない自称「脳科学者」が出現していることを大いに危惧しており、正しい脳科学の基本的な知識を持つことにより、与えられた能力を遺憾なく発揮してもらいたいとの考えから、皆さんがここまで培ってきたもっとも得意なこと、もっとも好きなことを通して、脳の回路(脳のチャンネル)を成熟させて欲しい―このことを“成熟脳”と命名した、との前置きから本題に入った。
まず、脳の基本的知識として年齢とともに脳を成熟させるための「脳活=脳の活性化」を勧めたい。脳は老化するのではなく、加齢とともに成熟するということを理解して欲しい。
これは「脳は、アクティブ・ライフを通して、年を取れば取るほど賢くなる」ということであり、人生における積極的な経験の積み重ね―これこそが、まさに脳を成熟させるいちばん重要な方法である。
脳が喜ぶ行為の具体例として、@小澤征爾氏の音楽脳、A笑福亭鶴瓶師匠のユーモア脳、B石川遼君のゴルファー脳、Cウイスキーのステイタスブレイン(シングルモルトの匠)、D料理が例示された。
この5例は我々の日常生活の中で実践できる全脳型脳活性化法でもある。この極意はミラーニューロンをポジティブ回路として海馬に記憶させることである。この逆は声に出して叱るなどネガティブな事象は海馬に悪い記憶として残ってしまうことである。
しかし、人生は良いことばかりではない。人生を時系列に辿れば、文字で書くと“N”字型と言える。脳はこのどん底時代の損なわれた感性を補うべく脳全体の機能が著しく発達する。しかるに、人生における逆況はまさに来たるべき順風への試練と捉えることができる。
最後に脳の病気を背負うことは人生総てを失うことになりかねない。脳卒中の予防として、日常生活でのチェック法と望ましい生活習慣並びに定期的な医学的検診の励行を勧めたい。
加齢現象イコール老化現象ではない。好きなことをやっていると脳は活性化する。このことは“経営者脳は70歳になっても形成される”と述べて講演を締めくくった。
講演終了後、講師の大井先生を囲んで懇親会が開催され、竹島氏の司会で、ユーモア溢れる大石氏の乾杯の挨拶の後、歓談と異業種の名刺交換が活発に行われた。最後に岩田氏のリードで校歌斉唱の後、森副会長が閉会の挨拶を行った。
文責 米山